そろそろどこの自治体も、認可保育園の申し込みの時期がひと段落したところでしょうか。次は2月ごろの当落通知の頃に戦々恐々としますよね。
我が家は下の子も在園児ですし、今後子どもを産む予定はないので、「保活」という文字もいまでは心穏やかに目にすることができるのですが、当時は本当に気が立ってました。
特に息子の保活は、いろいろありました。わたしの失敗談を、保活中のかた、特に新設園を検討しているかたの参考にしてもらえたらなと思います。
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息子は二度転園しています。しかも「出戻り」!
うちの息子は、保育園を二度転園しています。ここまでならまあ良くある話かもしれませんが、一つなかなか珍しい点があります。
二度目の転園は元の園への「出戻り」なんです。
「こんなケース初めてだわ」って、元の園の園長に言われました。そうでしょうね笑。
わたしが居住しているのは激戦区の自治体のため、第1子は1歳児入園は絶望的。そのため、0歳児4月での入園を目指し、その甲斐あって第二希望のA園に無事入園することができました。
A園での生活も慣れてきた10月に、家の近くに新設のB園ができると知り大興奮。在園していたA園には狭い園庭しかなかったため、それなりの広さの園庭があるというB園は当時のわたしには魅力的に映ったのです。
アットホームなA園の保育方針には満足していましたし、先生たちもとても親身で、本当に大好きな園でした。同じクラスのママ友もみんな仲良くて、自分としても離れがたい環境でもありました。でも、家からの近さ、園舎や園庭の広さというハード的な部分に優位性を感じて、B園への転園を希望し、運良く通ってしまったのです。
その後2年半ほどB園に通ったのですが、結局、年中の12月という超中途半端な時期に、再度息子を転園させることを選択しました。そんな選択をせざるを得ないほど、B園が、我が子の預け先として我慢ならなかったのです。
B保育園のここが不満だった
息子がB園に在園している間に、わたしは第二子を妊娠・出産し、育休を取りました。
わたしの住んでいる自治体では、育休中でも1年間だけは、上の子をそのまま保育園に通わせることができます。ただし、育休中は、預けられる時間は16時半まで。早めの時間に息子をお迎えに行くようになると、今まで目にする事のなかった保育の様子を見ることになりました。
外遊びをさせてもらえない・・・
わたしが育休中の間お迎えに行くその時間帯に、子どもたちが外で遊んでいる姿を見ることは一度もありませんでした。
働いているときは、お迎えが17時半とか18時とかだったので、その時間帯に子どもたちが室内に居ることを特になんとも思いませんでした。でもまさか、こんな時間帯から、毎日ずっと室内に詰め込まれているとは思っていなかったのです。
幼児たちが集められた保育室には、パーツが揃っていないようなプラスチック製のオモチャ(家庭にある様なオモチャ)が無造作に散らばっていて、子どもたちはゴロゴロと床に寝そべりながら遊んでいました。
先生はその部屋に一人しかおらず、子どもたちの遊びに関わるというよりも、常にどこかで勃発するケンカの仲裁に追われていました。そして、一つのケンカをおさめている間は、他の子どもたちには全く目が向けられていない。子どもへの適切な関わりどころか、いつ事故が起こってもおかしくないような状況でした。こりゃ、外へは出せないよね、という感じ。
夕方であれば、先生たちの数も減らし、子供たちも一つの部屋に集めて、という運用の効率化も理解できます。ですが、15時過ぎから既にこれ?と、当時のわたしはショックを受けました。息子に聞くと、お昼寝の後は外に出て遊ぶことはないとのこと。
この先、就学するまで1年余り。体力もついてきて外で遊びたい盛りのこの時期に、1日の多くの時間をここに押し込められて過ごさなければならない息子が、不憫に思えてなりませんでした。
保育士が急に辞める
そういえばB園では、保育士さんが突然いなくなることも多く、万年人が不足している印象でした。そのくせ、園長はいつも事務所にいて、保育に入っているところを見たことはないんですけどね。事務所をちら見した手元ではいつもスマホをいじっていました…。
保育士といえば、給与の安さや仕事の大変さといった待遇の悪さで話題ですが、それでも、園によって全然定着率が違うな〜と思います。
A園や、娘の通っているC園では、よほどのことがない限り、年度途中で保育士が辞めたり、担任が変わったりなんてことはありません。特にA園では本当にずーーーっといるベテランの先生がたくさん働いていたので、
「そういえばXXクラスの先生最近見ないね」「なんか突然来なくなったらしいよ」
みたいなことがたびたび起こるB園は、正直言って信じられないという気持ちでした。
預けられればどこでもいいってわけじゃない
いや、そもそも保育園に預けるのが自分が働きたいという親のエゴでしょ、というコメントもあることでしょう。
「安全が確保された子どもの居場所」。保育園が果たす役割としてはそれで十分なのかもしれません。でも、ワーママ だって、子どもが預けられればどこでもいいってわけじゃないんです。子どもに良い環境を与えてあげられていないとしたら、安心して働くことなんてできません。
それに、英語を教えて欲しいとか、教育的なことをして期待していたわけじゃないんです。ただ「遊び」という子どもにとって重要な学びを大事にして欲しい、それだけでした。それをB園の保育は軽視していたので、このまま我が子をこの環境に置いておくわけにはいかないと思ったのです。
B園しか知らなければ、「そんなもんなのかな」とわたしも納得していたかもしれません。でもわたしは、A園や一時保育で利用した他の保育園を見ており、そうじゃない保育園があるということを知っていました。
他の選択肢があるのであれば、我が子を少しでもいい環境の中に入れてあげたい。反対するかと思った夫も意外にも賛成してくれました。
わたしが思う、保育園を選ぶ際に一番重視すべきポイント
わたしが今、保活をするなら、一番重視すべきポイントはこれです。
外遊びをさせたいから園庭があるところ、といった風に親は考えがちなんですけど(わたしがそうでした…)園庭や園舎などのハードの条件は、結局はそれを利用する園の方針、園長の考え方に依存してしまうんですよね。
逆に、ハード面が充実していない園でも、ソフト面が充実していれば、工夫次第でハード面の不足を補えます。現にA園では、併設の園庭はそれはもう小さな小さなものでしたが、天気が許す日は毎日、近所の公園や森などに連れて行ってくれました。そして、リレーなどの遊びを促したり、近隣園とのドッジボール大会に向けて練習したりという保育をやって頂きました。結局、年中の終わりに戻ってから「外遊びが足りない」と思ったことはありませんでした。
また、室内遊びも、園によって全く異なります。
子どもって、遊び方が決められていないオモチャ(KAPLAとかブロックとか)のほうが遊びが広がるんですよね。再転園のためにA園に見学に行ったとき、A園の年中〜年長児たちは大きな机をいくつか出して、その机ごとに数人が集まってブロックやかるた、すごろくなどで遊んでおり、先生は机を回りながら時に「これ〜〜してみれば?」といった上級な関わりをしている姿をみて、B園の無秩序な夕方の光景との違いに愕然としたのを覚えています。
トイ●らスに並べられているような、子どもに迎合した刺激の近いオモチャは、想像力を必要としません。オモチャに「遊ばされている」だけなのです。
最近参加した教育関連のセミナーで聞いた話ですが、子どもは少しモノを不足気味の環境に置いたほうが、その環境でなんとか遊ぼうと工夫をするので、脳の成長を促されるんだそうです。欲しいものなんでも与えられ、モノに溢れて生きていることは、子どもの想像性をどんどん奪ってゆくのだとか。
A園のオモチャは決して新しいものでも、最近の子どもウケを狙ったものでもありませんでした。でも、子どもにとっては、友だちがいて、想像力があれば、それだけで遊びは成立するということを身をもって感じたのでした。
親は気にしがちだけど、今考えると実はどーでもいいポイント
次に挙げるのは、わたしが第一子の入園前に保育園をいくつか見学した際に魅力的に思ったりしたポイントなんですが、卒園した今となっては実はどーでもよかったな、と思うところです。
週1でやる習い事・教育的なプログラム
英語や体操、クッキングの先生が週に1回きてくれる、といった教育的なプログラムを売りにしている保育園もありますよね。
当時は、「すごい!保育園でそんなこともしてくれるなんてラッキー!」と思ったりしましたが、これは本当にあってもなくてもよかったなと思います。
たかが週に1時間程度やったって何かのレベルに到達するわけでもないし、これがきっかけでそのことに興味を持つとかもありませんでした。
園舎の設備や新しさ
衛生的に不潔だとか、耐震性が不足している、とかはダメですが、必要最低限のところをきちんと満たしていれば、園舎がどうといったことは、子どもとってはどうでも良いことなんです。上述したように、そのようなハード条件の中でどう遊びを工夫しているか、という方が重要です。
言わずもがなですが、長くて6年間、一日の大半を保育園で過ごすのは、親ではなく、子どもなんですよね。
園のロケーション
まあこれは、親の労力に直結するので、「どーでもいい」とまではいかないんですけど…。でも、その他の条件は全て良くてあとはロケーションだけ、という状況だったら、今のわたしなら園のロケーションを妥協するかな。
結論:新設園は避けたほうがいいと思う
わたしは、わたしの経験から一番に主張したいのは「新設園を選ぶのは慎重になるべき」ということです。
新設園の場合、上記に挙げた、「どーでもいいこと(ハード面)」は分かるけど「重視すべきポイント(ソフト面)」は何一つわからないからです。
最近、保育園不足解消のためか、新設保育園が乱立してる印象もあります。でも、新設園がどんな保育園になるかは、正直、「賭け」です。博打なんです。
ちなみに、既設園と同じ運営母体が新しい兄弟園を作るというケースでも、それは違う保育園と考えた方がいいです。保育方針を共にしているとはいえ、園長も保育士も違うのですから。
わたしは、大切な我が子を預ける場所を博打で選んではいけなかったと、心底後悔しています。結果的に卒園はA園で迎えることができましたが、それでもやはり物心ついたあとの数年間のブランクは、息子にとっても少なくはない影響がありました。
戻れるものなら、1歳児で転園を選択したあの瞬間に戻ってやり直したいです。これから保育園を選べるあなたには、わたしのような後悔はして欲しくありません。
そうは言っても、昨今の保育園不足では、預けられるところを探すだけでも大変、という意見もあるでしょう。でもね、近くに良い保育園がないとか、行きたい園があるけど距離だけがネック、という状況なら、なんなら住まいの方を変えることも検討してもいいと思うのです。
今の時代、インターネットを駆使して時間と空間を飛び越えていろんなことが可能にはなってきたけど、独りで動くことのできない子どもにとってはまだまだ、「物理的な距離」がネックになり、成長や学びの機会が得られないことも多いんですよね。そう考えると、移動手段を持っている大人の方が場所の融通は利くのではと思います。
少なくとも、新設園を選ぶということは賭けなのだということは肝に銘じて欲しいです。既設園という選択肢があるなら、そちらの情報を集めて、納得いったうえでの希望を出した方がリスクが低いと、わたしは思います。
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